八重山から台湾へ

中級者コース

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経済大国台湾(台湾入国編)

早朝5時半。
日本とは時差が1時間あるので、日本時間では朝6時半になる。この季節、船はまだ夜の明けきらぬ朝焼けの高雄港へと入港する。

ふと目が覚めると、もう窓の外が明るかった。まだ船は走っているようだったが、目の前に大きな貨物船が見えた。あわてて飛び起きてデッキに出ると、朝焼けに染まった高雄の町が見えた。

うっすらともやに霞む山をバックにいくつもの高層ビルが林立している。さすがに大都会だ。海上からでも、まず目に入るのが台湾ーの高さをほこる85階建てのビル。上の方は高雄晶華酒店というホテルになっている。

朝焼けの高雄の町。
中央やや右にある、双胴のビルが台湾一高いビル。
ここのホテルの上層階のバーでカクテルなんぞ飲んでみたいものだ。

高雄港は旗津半島という幅200メートル、長さ11キロにも及ぶ半島に囲まれた天然の良港である。しかも町が近く、港としての貨物取扱高は世界有数である。

それは港の外に浮かぶ貨物船、タンカーの数でも分かる。とにかくものすごい数の船だ。横浜や神戸なども船の数は多いが、一つ一つの船の大きさが違う。高雄港に出入りする船は大きなものが多い。しかも港の外に停泊する船だけでも多いのに、入港している船を加えたらそれこそ数え切れない数に違いない。

こうゆう光景を見ると、台湾の経済力の大きさがよく分かる気がする。


船はゆっくりと港へ向かう。港へ入る湾ロはとても狭いのだが、その湾ロになっている岬のところにおかしな形の物が見えた。

最初、見張り台か何かだろうかと思えたそれは、実は入港してくる船にスコープを合わせた砲撃台だった。しかも、その脇に銃をもった兵士が2人立っていた。

台湾は現在も徴兵制をとっていて、男は20歳になると2年間入隊しなければならない。もちろんこれは、台湾の独立を決して認めようせず、ことある毎に政治的、また軍事的に圧力をかけてくる中国に対する台湾の自衛策である。例えば、最近では1996年の台湾総統選挙で、台湾は世界でも珍しく、最高責任者である総統を選出するのに国民による直接選挙を行った。このとき、中国が台北沖にミサイルを撃ち込むなどしたため、一気に軍事的緊張が高まったこともある。

中国は、1988年に総統になった李登輝氏が国民の総意によって選出されるのをなんとしても邪魔したかったようだ。李登輝氏は台湾独立を公言しないまでも、それに近いようなことを時々公にしていた。それを良しとしない中国が選挙に圧力をかけようとしたのだ。このときの選挙は台湾人民が一致団結して李登輝氏を選んだのだが、中国は決して台湾独立を認めようとしない。昨年の台湾大地震のときさえ、台湾に全世界から援助が届くのを邪魔しさえした。最近になって、中国の態度はやや軟化したものの、緊張は今も続く。

砲撃台は、中国本土に面す高雄港の隠れた姿をかいま見た気がした。

今年3月、再び総統選挙が行われた。李登輝氏は出馬はしなかったが、現代台湾を語るのに、李登輝の名前は重要である。現在も国民党の党首であり、ぜひ覚えておいて欲しい。

 船はのろのろと進み、高雄港の沖に接岸したのは午前6時ちょうど、時間通りの到着だった。すぐに入国検査のための係官が乗り込んできた。出国のときにパスポート検査をした部屋で同じようにパスポート検査をする。係官は台湾の人だが、特に聞かれることもなかった。ポンとはんこを押されてそれでおしまい。

と思ったら、それでおしまいではなく、その後税関の係官が到着するまで部屋で待てという放送があった。その到着予定時間は、なんと8時半だと言う。結局2時間半もの間、船の中でぼーっと待たされることになった。

ま、これも旅というもんだ。

高雄港の内湾。
ずらりと並ぶ軍艦。

ようやく時間になり下船すると、そこにはバスが待っていた。下船した所は港の沖なので、そこから入国検査を行うターミナルまで連れて行かれる。今回はバスだったが、ボートで行く時もあるようだ。

バスは高雄の町並みを走り、市街地の外れにあるターミナルまで行く。そこで、荷物検査(と言っても、外国人は全くのフリーパス)の後、ようやく台湾での旅が始まるのだった。

さて、外国旅行のときにまず最初にやるべきことは両替だ。日本で用意して行けばいいのだが、台湾は日本と正式な国交がないため、日本で台湾元を替えることはできない。そこで、まず台湾に着いたら両替をしなくてはならない。

ところが、私が台湾に着いたのは日曜日なのだった。ターミナルにはいくら探しても両替をするところがなく、しかも最も一般的な両替所である銀行は日曜日で休みなのだ。これには困った。

ガイドブックにはデパートやホテル、貴金属店でも両替できると書いてある。仕方なく、私は1元の台湾元も持たず台湾の町を歩き出したのだった。

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