八重山から台湾へ

中級者コース

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台湾のちょっと怪しい木の実

 台湾では人は道の右側を歩行をする。
 日本でも当たり前と言えば当たり前だが、台湾では体に刷り込まれたように守られている。

 最初に気づいたのは、対面から来る人とすれ違うときだった。ぶつかりそうになると、人は必ず右側に避けようとした。
 これは単なる偶然かなと思っていたが、ある雨の日。私は台北で地下道への階段を降りた。そのときに、階段の右側だけが濡れているのに気が付いた。そして、地下道も階段から降りた辺りは右側だけが濡れていた。
 徴兵制の国だからというだけでは説明しきれない。おそらく学校の初等教育の頃から教えているのだろうな。こうゆうことは、国の文化なのだなあと思った。


 もう一つ気づいたことに、タバコを人前で吸う人が少ないということがある。
もちろんタバコは売っているし、飲食店には灰皿もある。しかし、人前で吸っている人は非常に少ない。日本なら必ず誰かしら吸っている駅とか喫茶店でも、ほとんど見かけなかった。

 ところが、その代わりに台湾には 檳榔(ビンロウ)という物がある。ビンロウという植物の実を青く小さいうちに摘み、実に切り込みを入れ、石灰と甘味料を練ったものを詰め、キンマの葉っぱでくるんだものだ。
 大きさはちょうどチョコボールくらいだ。ビンロウという植物はヤシの木を小さくしたような感じで、町中でも見かけることができる。

 これをどうするのかと言うと、口に入れてガムのように噛むのである。すると、軽いトリップ感が味わえるのだという。どこの町でも、町のいたるところに「○○檳榔」という看板を出した店やら屋台やらがたくさんある。

私はこれを台北の、とある屋台で買おうとした。その屋台のおばさんは日本語も英語も通じなかった。私が、これをくれと言うと、なぜかそのおばさんは手を振って、だめだと言う。

 なぜ売ってくれないのだろう、外国人には売ってくれないのだろうかなどとも思ったのだが、理由はよくわからない。けれど、私が売ってくれともう一度言うと、おばさんは売ってくれた。1袋に10個入って50元(約170円)だった。聞くところによると値段は季節によって大きく変わるらしい。

 これは本文とは関係なし。
 屋台で夕食をとっていたら、おばさんがカゴに入れて売りに来た。
 チューインガムですね。

 さて、それを手に入れた私は、お土産を買うために入った店で、その店のおばさんに見せた。これをそこで買ったんだと見せた。すると、そのおばさんは大いに驚いた表情を見せて、そんなのやっちゃ駄目、一度だけ試したらやめなさいと言うのだった。しまいには、癌になるとまで言い出した。これは、あとで調べたのだが、あながち嘘ではないようだった。

 その後、おばさんは私の買った檳榔を手に取ると、ちょっと不思議そうな表情をした。巻いてある葉っぱをはがし始めた。すると、おばさんはこんなことを言った。

 コレハチガウ。ホンモノデハナイ

 はぁ? 本物じゃない? じゃ、これはなに?

 ホンモノハ、ココニ、セッカイト、カンミリョウガ、ハイッテイル

 はあ・・なるほど。つまり、作りかけというわけだ。だから、さっき屋台のおばさんは売ってくれようとしなかったんだ。なるほどねぇ。

 でも、檳榔の成分は変わらないはず。ま、いーや。

 コレ、イチドダケデヤメナサイ

 おばさんは繰り返した。

 元もと、檳榔はヤクザな感じの嗜好品だと思われているようで、決してお行儀の良い、育ちの良い人はたしなんだりしない。噛んだときに、最初に口にたまった唾液をはき散らすのも良くないことと見られているようだ。檳榔の唾液は赤茶色でたしかに道路が汚くなるし、お行儀が悪い。

 しかし、私は決してお行儀が良くもなく、育ちも良くないので、たしなむのである。

 ホテルに戻ると早速口に入れた。
 奥歯でガリッと噛む。ガムとは感触が全ッ然違う。サトウキビを噛んでいるようだ。しかも、サトウキビなら甘いが、これは何というか、苦くて青臭い。決しておいしいものではない。本来なら香料が入っている分、味があるのだろうけれど、これは苦いだけだ。しかも、えぐい。

 とにかく我慢して噛みしめてみる。1分くらいで、もう耐えきれなくなってしまった。吐き出すと、実は赤茶色に染まっていた。
 すると、首の後ろの辺りがぼわ〜んと暖かくなってきた。頭がくらくら〜っとなってきた。酒の酔いとは違う。首から上だけがトリップしている感じだ。

 しかし、すぐに治まった。とても軽いドラッグといった感じだろうか。まあ、期待したほどではない。しかし、タバコと同じで習慣性があるらしいので、十分に注意しよう。  この檳榔は、どうやら日本へは持ち込み禁止らしい。しかし、育ちの良くない私は持ち込んだ。那覇空港で、見つかったら素直に没収されようと思っていたが見つからなかったのでOKだ。麻薬犬が足元をうろうろしたときは、ちょっとビビったが麻薬ではないのでOKだ。

 そうゆうわけで、竹富のとある民宿では、ある日檳榔パーティが行われたらしい。檳榔を噛んだ人はみんな共犯なので、そこのところよろしく(笑)

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